朝の病院は、いつも通り静かに動き始めていた。彼女らの部屋は総合病院の事務棟三階にあり、総務課に所属はするが、位置的には離れ小島のようにポツンと離れている。
亜紀と麻里はこの部屋に、今日も病院職員の「性処理係」として出勤していた。看護師とは違う。彼女たちは、男性職員のストレス解消と福利厚生を目的に雇われた非正規職員——特殊福利厚生係。
いわば、病院の“隠れた潤滑油”だ。
亜紀は三十代前半。明るめのボブヘアをきりっと整え、凛とした目元が印象的な長身の女性だ。性格もその見た目に相応しく、やや強気で口数が少ない。対する麻里は二十代後半。セミロングの黒髪を軽く揺らし、背は亜紀より頭一つ低い。いつもあっけらかんとした笑顔で、どんな状況でも「まあ、仕事だし」と受け流すタイプだった。

朝礼は総務課に集まって行われる。そのため2人も別室から出向いていた。
朝礼が終わった直後、課長の声が響いた。
「亜紀くん、ちょっといいかな」
亜紀は内心で舌打ちした。(朝っぱらから……正気か、こいつ)
亜紀は不満げだったが、彼女らの雇用契約書にははっきり書かれている。「正当な理由なく職員の要望を拒否してはならない」。ため息を押し殺し、彼女は課長のデスクへ向かった。
「悪いな、昨日、家内と大喧嘩してさ。憂さ晴らしに、一発だけ頼むよ」
課長は椅子に深く腰を下ろし、ベルトに手をかけた。亜紀は表情を崩さず、淡々と膝をついた。
「失礼します」
手慣れた指先が器用にフックを外し、チャックを下ろす。ブリーフの下で、すでに硬く反り返った肉棒が飛び出した。亜紀の顔のすぐ前で、亀頭が脈打っている。先端からは透明な我慢汁が糸を引いて光っていた。
(……本当に、朝からこれか……)
彼女は眉一つ動かさず、唇を寄せた。熱く湿った舌を這わせ、ゆっくりと根元まで咥え込む。
「んっ……ふぅっ」
課長の吐息が大きく漏れた。周囲のデスクでは、他の職員が書類をめくる音が続く。若い女子事務員がチラチラと視線を寄越しながら、頰を赤らめている。
「はぁ……亜紀くんの口、最高だよ……」
課長の指が亜紀の頭を軽く掴み、前後に動き始めた。ジュポッ、ジュポッ、という卑猥な水音がオフィスに響く。亜紀は喉の奥を押し広げられながらも、冷静に舌を絡め続けた。
「くっ……いくっ……!」
小さな呻きと共に、熱い精液が亜紀の口内に迸った。ドクドクと脈打ち、喉に直接注ぎ込まれる。亜紀は一滴もこぼさず飲み干し、ゆっくりと口を離した。
後片付けも仕事だ。ティッシュとウェットティッシュで課長の肉棒を丁寧に拭き、飛び散った精液を床から、ズボンから、自分の唇から消していく。終わると、課長は満足げに息を吐いた。
「助かったよ。どうも」
「どういたしまして」
亜紀は平静を装って自分の席に戻った。心の中では(毎日これ……本当に、うんざりだわ)と、静かに毒づいていた。
席に着くなり、内線が鳴った。今度は麻里の呼び出しだ。
「麻里ちゃん、医局の山田先生から電話。すぐ来てほしいって」
麻里は「あいよー」と軽く手を挙げて立ち上がった。
外来や巡回に出払っている医局は、がらんと静かだった。夜勤明けの内科医・山田は、帰宅前に一息つきたい様子で待っていた。
「悪いね、麻里ちゃん。夜勤で疲れてるんだけど……その前に、一発だけ」
「わかりました。どうされますか?」
「挿入でいいかな」
麻里はポケットからコンドームを取り出し、医師のズボンとパンツを下ろした。すでに半勃起していた肉棒を優しく愛撫すると、みるみるうちに硬く膨張していく。
「んふふ、すぐ元気になりますね」
彼女はコンドームを装着し、自分の秘部にローションをたっぷり塗った。医師が椅子に座ったまま、麻里は正面から跨がり、ゆっくり腰を沈めた。
「んっ……はぁ……」
熱く太い感触が体内を押し広げる。麻里は腰をクネクネと妖しく回し始めた。
「さすが麻里ちゃん……テクがいいよ……」
医師の声が甘く掠れる。麻里は内心で(褒められても嬉しくないけどね。仕事だし)と、淡々と動き続けた。
その時、隣の席に若い女医が忘れ物を取りに戻ってきた。隣で繰り広げられる生々しい性交を直視せず、彼女は小さく会釈だけして、慌てて去っていった。
「今の……見た?」
医師が意地悪く笑い、肉棒がビクンと脈打った。
「あっ……いっちゃった……!」
熱い射精がコンドームの中に広がる。麻里はゆっくり腰を上げ、ペニスを抜き、コンドームを外した。ティッシュと清拭紙で医師のものを丁寧に拭き、自分の股間も綺麗にする。
「ありがとう。またね」
「お疲れ様です」
麻里は医局を後にした。心の中はいつも通り。
(はぁ……今日も一つ消化完了)
昼休みは休むどころかむしろ、彼女たちにとって最も忙しい時間だ。
昼休みの男性職員たちは暇を持て余し、次々と呼び出しをかけてくる。手コキ、フェラ、挿入、中には「ただ見てるだけでいいから」と己の自慰を鑑賞させる者までいる。
そのため、二人は昼食を後回しにすることが多かった。
午後3時を過ぎた頃、会議室から2人に呼び出しがかかった。会議室には20代から50代までの男性事務員が5人。
「悪いけど、みんなの相手、頼むわ」
会議のネタが煮詰まったと言って、気分転換を求めてきた。
(なによそれ、ただヤリたいだけでしょ……)
亜紀は心の中で呆れつつも、麻里と目を合わせた。二人はゆっくりと服を脱ぎ始めた。
「いやいや、全部脱がなくていいよ。服を着てる方がエロいんだよなぁ」
男の一人がニヤニヤしながら注文をつける。
結局、二人は服を着たまま胸を露出したりパンティを脱いだ状態で、五人の男たちに囲まれた。
男たちの視線は貪欲に、二人の肌を舐め回すように這い回った。

性癖は本当にバラバラだった。
一番若い20代の事務員は、興奮で息を荒げながら亜紀の前に立ち、
「口……口に出していい?」と震える声で言い、亜紀の唇を指でこじ開けて肉棒を押し込んだ。
隣の40代の太った男は、麻里の後ろから腰を抱き寄せ、
「後ろがいい……尻がたまらねぇ」と唸りながら、すでにローションでぬるぬるの後孔にゆっくりと押し入れた。
もう一人は亜紀の髪を乱暴に掴み、
「髪にぶっかけたいんだよ……動くな」と息を吐きながら、激しく扱き始めた。
別の男は麻里の顔のすぐ前に立ち、
「顔面だ。目を開けてろよ」とニヤニヤしながら、先端を彼女の頰や額に擦りつけている。
残る一人は椅子に腰を下ろし、ただ見ているだけで満足そうに自分のものをしごいていたが、やがて我慢できずに亜紀の胸に飛びついてきた。
「何せ相手が5人だ。時間も限られてる。効率よく頼むぞ」
誰かが低く笑いながら言った。
亜紀は両手で二本の熱く脈打つ肉棒を同時に握り、激しく上下に扱きながら、口では別の太いものを喉の奥まで飲み込んでいた。
ジュポッ、ジュルルッ、グチュグチュ……と卑猥な水音が絶え間なく響く。
(……早く終わって……)
麻里は後ろの穴を犯されながら、残る一本のチンポを右手で必死にしごいた。腰を前後に振り、締め付けを調整し、男たちの快感を最大限に引き出す。
「あっ……んっ……はぁ……次、早く来て……」
口では小さく喘ぎながらも、表情はあっけらかんと崩さない。
(仕事……仕事だから。数さえこなせばいい)

男たちは入れ替わり立ち替わり、
口内に放つ者、黒髪に白濁をぶちまける者、顔全体を精液まみれにする者、性交にこだわって何度も体位を変える者——それぞれの欲望を、容赦なくぶつけてくる。
5人で合計10回の射精。
若い20代の男だけは、一人で3回も連続で放ち、亜紀のボブヘアをべっとりと汚し、麻里の頰と胸にまで飛び散らせた。
ようやく全員が満足した頃、二人は床やテーブルに飛び散った精液をティッシュと清拭紙で丁寧に拭き取り、自分の体も汗と白濁とローションでぐちゃぐちゃになった肌を拭った。
男たちはスッキリした顔で、再び会議テーブルに戻り、
「じゃあ、会議の続きやろうか」
と、何事もなかったかのように議題を再開した。
二人は無言で服を直し、会議室を後にした。
彼女たちがこうした要件以外で会議に呼ばれることはない……
業務終了のチャイムが鳴った。
オフィスに戻った亜紀は、机に突っ伏した。
「今日も……疲れた……」
麻里が隣で笑いながら聞いてくる。
「亜紀さん、今日は何回でした?」
二人の毎日のルーティンだ。射精させた回数は、業務報告書にしっかり入力しなければならない。
亜紀は指を折りながら答えた。
「えっと……9回かな」
「私は8回でした。私の負けですね~」
麻里が軽く笑う。
亜紀は小さくため息をついた。
「こんなの、数を競うもんじゃないよ……ほんと、男ってやつは……」
その言葉の裏に、静かな苛立ちと、どこか切ない思いが混じっているのを、麻里は感じ取った。
二人は今日も、病院の“影の福利厚生”を終え、静かに帰り支度を始めた。
明日も、また同じ一日が待っている——。

