私は事務室の椅子に座って、午後のシフト表を眺めていた。
白衣の下はいつものタンクトップとレギンス。少し汗ばんだ背中が張り付くような感覚がある。
ドアがノックされて、若い看護師が顔を覗かせる。まだ入職して半年くらいの子で、いつも少し緊張した表情をしている。
「……真澄さん、すみません……急ぎで、412号室の中村さんからです。奥様同席で……その、アナルに……挿入してほしいって……」
新人ちゃんは顔を真っ赤にして、言葉を詰まらせながら小声で続ける。
「……指で……前立腺を……ぐりぐりって……それから、ディルドーで……奥まで……って、はっきり言われて……私、うまく説明できなくて……」
私は小さく頷いて立ち上がる。
「ありがとう、わかったわ。すぐ行くね」
ワゴンを引きながら廊下を歩く。心臓が少し速くなるのは、いつものことだ。
今日は妻同席か。こういうケースは、患者さんだけでなく、付き添いの家族の心の揺れも感じ取らなきゃいけない。

412号室に入ると、カーテンがすでに半分閉まっていて、40代半ばくらいの男性・中村さんがベッドに座っていた。隣に座る奥様はうつむきがちで、手を膝の上で固く握り、頰を赤らめている。
私は静かに挨拶して、カーテンを完全に閉める。
「中村さん、こんにちは。看護師さんから連絡もらいました。今日はアナルからのご希望ですね。奥様もご覧になりますか?」
中村さんは力強く頷き、奥様の方をちらりと見て言う。
「いいよな? お前も見ててくれよ。そのほうが……な」
奥様は顔を上げられず、耳まで赤くして小さく頷く。
中村さんが少し声を低くして続ける。
「……最近、腰が痛くて……でも、溜まってると余計に体が重いんだ。……前立腺をしっかり押してもらって、奥まで突いてもらいたい。お前も見ててくれ、俺がどれだけ感じてるか」
奥様は視線を床に落としたまま、唇を噛んで小さく息を飲む。
私はワゴンから潤滑剤をたっぷり取り出し、ラテックスグローブをはめる。
「わかりました。ゆっくり進めますね。奥様も、辛くなったら遠慮なく言ってください」
中村さんに四つん這いになってもらい、ガウンをめくる。臀部を軽く開いて、指先にたっぷり潤滑剤を塗り、ゆっくりと第一関節まで挿入する。
ヌル……ヌチュ……と音を立てて指が入り、中村さんの体がビクッと反応し、息が漏れる。
「んっ……あぁ……冷たい……でも……気持ちいい……見てろよ、お前……」
奥様は顔を背けようとするが、中村さんの声に促されてチラチラと視線を戻す。頰がますます赤くなるのがわかる。
私は指をゆっくり回しながら、もう一本加えて前立腺を探るように圧をかける。
グリグリ……グチュ……と内部を刺激すると、中村さんの陰茎がだんだん硬くなり、先端から透明な液が滴り始める。
中村さんが低く呻く。
「………見ててくれ……俺、こんなに……感じてる……」
奥様は膝の上で手を強く握りしめ、息を浅くして耐えるように体を縮こまらせる。視線は逸らしたいのに、夫の声に引きつけられるように時折こちらを見る。
「では、本番いきますね」
私は太めのディルドに潤滑剤を塗り込む。
ズチュ……と音を立てて先端を入り口に当て、ゆっくり押し進める。
ヌプ……ズブズブ……とディルドが飲み込まれていく。
「んっ……あぁ……入ってる……奥まで……見てろ、…俺のここ……」
中村さんの声が低く響く。奥様の手が膝の上で震え、顔を赤らめたまま視線を逸らせようとするが、夫の言葉に負けてチラチラと見つめている。
私は腰をゆっくり前後に動かし始め、徐々に深くまで入れる。
ズチュズチュ……パチュ……と湿った音が部屋に響く。
中村さんの体が前後に揺れ、息が荒くなる。
私は角度を変えながら前立腺を直接刺激するように突く。
グチュッ……ズンッ……とリズミカルに。
彼の陰茎は触れてもいないのにビクビクと脈打ち、床に滴が落ちる。
やがて彼の腰が激しく震え、射精が始まる。
ビュルビュル……ドピュッ……と勢いよく精液が飛び散り、シーツを白く汚す。
中村さんの体がガクガクと痙攣し、喉から低い唸り声が漏れる。射精の余韻で陰茎が何度もビクビクと跳ね、床に新たな滴を落とす。
私はゆっくり引き抜き、後始末をする。ディルドを丁寧に拭き取り、中村さんの臀部をウェットティッシュで優しく清める。
彼はベッドに突っ伏したまま、肩で大きく息を吐く。体全体から力が抜け、背中がゆっくり上下している。額に汗が光り、表情は完全に緩んで安堵に満ちている。
奥様が無言で彼の背中を撫で始める。指先が震えながらも、優しく円を描くように。
中村さんがかすれた声で呟く。
「……はぁ……はぁ……生き返った……ありがとう……見ててくれて……」
奥様はようやく声を出し、涙声で答える。
「……よかった……あなた、こんなに楽になった顔……久しぶり……恥ずかしかったけど……見てて……よかった……」
中村さんは体を起こし、奥様の手を握る。奥様は涙を浮かべながら、そっと彼の肩に頭を寄せる。頰はまだ赤いが、表情には安堵と優しさが混じっている。
私は静かに後始末を終え、二人に軽く頭を下げて部屋を出る。
背後で、夫婦の静かな吐息と小さな囁きが聞こえていた。
それから、スタッフルームに戻った私は椅子に座って、回覧の書類を眺めていた。
内線電話が鳴った。
「真澄さん、608号室の山本さんからです。お見舞いの奥様が買い物に行かれて……戻ってくるまでに性交希望だって。時間制限あります。奥様は15分後くらいに戻る予定です」
若い看護師の声は少し急いでいた。
私はすぐに「了解、すぐ行きます」と返し、608号室へ急いだ。
奥様が買い物から戻ってくるまであと15分弱……それ以内に終わらせないと、部屋で鉢合わせになる可能性がある。急がなきゃ。
個室部屋に入ると、60代後半の山本さんがベッドに座って待っていた。奥様は確かに外出中らしく、部屋は私と二人きり。
彼はすでにガウンを半分脱ぎ捨て、陰茎を露わにしている。硬く張りつめ、先端が濡れている。
「山本さん、時間がないので、早めにいきましょうか」
彼は頷くどころか、すぐに私の腕を掴んで引き寄せた。
「早く……嫁が戻る前に……入れさせてくれ……」
私は慌ててワゴンからコンドームを取り出し、袋を破って取り出す。
「待ってください、コンドームを装着しますから……」
でも彼は待てない様子で、私のスカートを強引にたくし上げ、下着ごとずり下げようとする。
私は片手で彼の陰茎を軽く押さえ、もう片手でコンドームを広げて先端に被せる。
「山本さん、動かないで……ちゃんと装着しないと……」
彼はイライラしたように息を吐きながらも、腰を少し止めてくれる。
私は急いでコンドームを根元まで滑らせ、指で軽く押さえて密着させる。
先端の溜まり袋が少し膨らみ、陰茎全体を覆う。
「これで大丈夫です……」
でも彼はもう限界らしく、私の腰を掴んでベッドに押し倒し、膝で私の脚を開かせてくる。
まだ十分に濡れていない私の入り口に、熱く硬くなった陰茎の先端を無理やり押し当ててきた。
ヌル……と先端が少し入りかけた瞬間、痛みが走る。
「んっ……! 山本さん、待って……まだ濡れてない……」
でも彼は焦りきっていて、腰を強く押し進めてくる。
ズブッ……と無理やり根元近くまで入ってしまい、摩擦で膣壁が擦れる痛みが走った。
私は思わず息を詰まらせ、体を硬直させる。
彼は低く唸りながら、すぐに激しく腰を振り始めた。
「ひっ………!!」
思わず悲鳴が漏れた。
パンパン……パンパン……と乾いた音が響き、痛みと摩擦が混じった感覚が広がる。
私は両手で彼の肩を押さえ、なんとかリズムを整えようとするけど、彼の動きは強引で乱暴だ。
「はぁ……はぁ……妻が……戻る前に……出したい……」
私は歯を食いしばりながら、膣を意識的に締め付けて彼の動きに合わせる。痛みはあるけど、時間がない。
残り時間はあと数分。
私は自分の呼吸を整え、腰を少し浮かせて角度を調整する。
ようやく少し滑りが良くなり、彼の動きが加速する。
山本さんの体が硬直し、腰がビクンとなった。
コンドームの中に熱い脈動が広がり、ドクドク……と勢いよく射精が始まる。
彼は喉から低い唸りを上げ、体を震わせながら私に体重を預けてくる。
私は動きを止め、ゆっくり体を離す。
膣内に残る摩擦の痛みがジンジンする。
コンドームを外すと、先端が大きく膨らみ、内部の精液の多さがわかった。根元を押さえながら剥ぎ取り、結んで廃棄容器へ。
陰茎から残液が落ち、私の太ももに付着した。
山本さんは息を荒げながら、満足げに笑う。
「……ありがとう……間に合った……」
私は急いで自分の下着とスカートを直し、ウェットティッシュで自分の陰部と彼の陰茎を拭き取る。
痛みがまだ引かない。
私は静かに、でもはっきりと言った。
「山本さん……焦る気持ちはわかりますけど、準備が整ってないのに無理やり入れるのはダメです。
痛かったんですよ。私も人間です。ちゃんと潤滑剤やコンドームの確認をしてからじゃないと、怪我につながります」
彼はハッとして顔を上げ、慌てて謝る。
「……すまん……我慢できなくて……悪かった……」
「次からは、ちゃんと待ってくださいね。奥様が戻る前に終わらせたいのはわかりますけど、私の体も大事に扱ってほしいんです」
山本さんは目を伏せて頷いた。
私は急いで後始末を終え、部屋を出る。
ドアを閉めた瞬間、廊下の向こうから奥様の足音が近づいてくる。
彼女は買い物袋を提げ、今しがた、夫と私が性交したことなど何も知らない顔で微笑みながら部屋に向かう。
私は痛みを堪えながら、静かに頭を下げて通り過ぎた。
ギリギリ間に合った……。
背中で、奥様がドアを開ける音が聞こえた。

今日は夜勤もある日だ。
やっぱり電話がかかってきた。
「真澄さん、305号室の高木くんです。『ムラムラして眠れない』って顔真っ赤にして相談してきて……恥ずかしがってるみたいですけど、どうしたらいいか困ってます」
若い看護師の声は少し困惑気味だった。
私はカルテを閉じて立ち上がり、「わかりました、すぐ行きます」と返事をする。
ワゴンを引きながら廊下を歩く。夜の病棟は静まり返っていて、足音だけが響く。
こういう夜中の相談は、若い患者さんに多い。溜まったものが体と心を蝕む前に、ちゃんと解放してあげないと。
305号室に入ると、カーテンが半分閉まっていて、ベッドに座る高木くんがいた。
18歳の高校3年生。バスケ部で部活中に足を骨折して入院中だ。まだあどけない顔立ちで、頰が真っ赤。目が泳いでいて、シーツをぎゅっと握っている。
「高木くん、夜遅くにごめんね。看護師さんから連絡もらったよ。ムラムラして眠れないんだって?」
彼は顔を上げられず、膝の上で手を強く握りしめて、小さく頷く。
「……はい……入院してからずっと……看護師さんがみんな綺麗で……毎日見てると……体が熱くなって……夜も全然眠れなくて……」
声が震えている。
私はベッドサイドに座り、優しく手を重ねる。
「部活の怪我で入院して、ストレスも溜まってるよね。ムラムラするのは自然なことだから、恥ずかしがらなくていいよ。
ここでは我慢しすぎると、体調も悪くなるの。
だから、私がお姉さんとして……楽にしてあげようか?」
高木くんは目を見開き、顔をさらに赤くして私を見る。
「……え……本当ですか……?」
「うん。今日はコンドームを使って、安全にね。
高木くんの初めてを、優しくしてあげたいの。
いい?」
彼は恥ずかしそうに視線を逸らしながらも、ゆっくりと頷いた。
「……お願いします……」
私はカーテンを完全に閉め、ゆっくり白衣を脱ぎ始める。
タンクトップを脱ぎ、レギンスを下ろすと、ブラとショーツだけの姿になる。
高木くんは息を飲んで、私の体をじっと見つめる。
目が釘付けになり、頰がますます赤くなる。
「……綺麗……胸……すごい……こんなの……初めて……」
私は微笑んで、彼のガウンをめくり、すでに硬くなった陰茎に触れる。
先端が濡れていて、熱い。
「怖くないよ……ゆっくりするから」
まずは唇を重ねる。
彼のキスはぎこちなくて、震えていた。
私は舌を優しく絡ませ、慣れさせてあげる。
チュッ……チュパ……と小さな音が響く。
私はコンドームを丁寧に装着し、彼の上に跨がる。
「入れるよ。痛かったら言ってね」
ゆっくり腰を沈めると、彼の目が見開く。
「うっ……あ……」
私は動かずに、膣内で彼を感じさせ、少しずつ腰を前後に動かし始める。
高木くんの表情が、怖さから喜びに変わっていくのがわかる。
私は彼の胸に手を置き、ゆっくり上下に動く。
パチュ……パチュ……と肌が触れ合う音が部屋に響く。
高木くんは両手で私の腰を掴み、喜びの声を漏らす。
「……初めてなのに……こんなに気持ちいい……真澄さん……大好き……あぁ……もう……」
彼の腰が自然に突き上がってくる。
私は動きを速め、奥を強く突かれるたび、自分の息も乱れる。
やがて彼の体が硬くなり、腰が激しく跳ねる。
コンドームの中に熱い脈動が爆発し、ドクドク……ビュルビュル……と勢いよく射精が注がれる。
高木くんは目を閉じて体を震わせ、喉から低い呻きを上げる。
「……はぁ……はぁ……出ちゃった……真澄さん……」
私は動きを止め、ゆっくり腰を上げて抜く。
コンドームは大量の精液で満たされている。
高木くんは気の抜けた表情で私を見ていた。
私は微笑みながら、コンドームの先端を口元に近づけ、ゆっくりと中身を傾ける。
白濁した液体が私の舌に流れ込み、温かくねっとりとした感触が広がる。
私はごくりと飲み込み、残りを舌で綺麗に舐め取る。
高木くんは目を丸くして、顔を真っ赤にしながら呟く。
「……真澄さん……それ……飲んじゃった……?」
私は優しく頷き、唇を拭う。
「うん。高木くんの初めての証だから……お姉さんが全部受け止めてあげるね」
私はウェットティッシュで彼の陰部を優しく拭き取り、病衣を整える。
「初めて、どうだった?」
高木くんは恥ずかしそうに、でもうれしそうに微笑む。
「……最高でした……こんなに気持ちいいなんて……思わなかった……真澄さん、ありがとう……一生の思い出です」
私は彼の額に軽くキスをして、自分の服を整える。
「よかった。これでぐっすり眠れるよ。また我慢できなくなったら、いつでも呼んで」
高木くんは頷き、目を輝かせて私を見送った。
私は部屋を出て、静かにドアを閉める。
背後で、彼の幸せそうな吐息と、ようやく安らかな寝息が聞こえ始めた。
スタッフルームに戻って時計を見ると、深夜0時を回っていた。
今日も終わった。
私は椅子に体を落ち着かせた。体は疲れているけど、心はどこか満たされている。
この仕事は、ただの性処理じゃない。誰かの体と心を、ほんの少しでも軽くしてあげられる。
それが、私の仕事の意味なんだと思う。

